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2015年06月18日

西暦を使うか、元号を使うか。決める時の注意や併記の書き方例など

年号を書くときに、「西暦を使うのか、昭和平成などの元号を使うのか?」に迷うことがありますね。編集の立場だと、執筆者からこれらが入り混じって入稿することもあり、もっと悩むかもしれません。
「西暦」「元号」の呼称も厳密には議論がありそうですが、ここではとりあえず、「2014年」みたいなのを「西暦」、「昭和」「平成」みたいなのを「元号」と呼ぶことにします。

絶対的な決まりはないが、一つの発行物の中では統一する


お役所や金融機関などでは元号が標準的に用いられますが、民間で発行物をつくるときには、特に決まりはありません。ただし、ひとつの発行物の中では、統一したルールを持つべきです。

ルールは、掲載する情報や、関係者の意向、読み手にとってどちらがよいか、などを総合的に判断して決めます。選択肢としては、次のようなものがあります。

1)西暦のみ  例)2015年
2)元号のみ  例)平成27年
3)西暦優先で併記  例)2015年(平成27年) 2015(平成27)年
4)元号優先で併記  例)平成27年(2015年) 平成27(2015)年

これらのバリエーションとして、平成を「H」としたり、年月日を「.」でつなぐなどの表記もあります。また、3)4)は、最初は併記して、一定の範囲で2回目に出てくるときは優先年号のみを書くやり方もあります。西暦は、これも一定のルールのもとになりますが、2回目から下2桁だけを使うやり方もあります。
それから、本文ではきちんとした表記にして、図表で年号を扱う場合は簡易な表記にするなど、本文と図表で使い分けるようなパターンもあります。

重要な点として、西暦はキリスト教を背景としたものであり、元号は神道や天皇制が背景にある、ということがあります。卒業証書に書かれる年号について裁判が起こされた例もありますから、例えば「西暦のほうが数字がずっと連続するから分かりやすい」などの効率面だけで安易に決めつけるわけにはいかないことに注意しましょう。

原稿をもらった後で統一ルールを決めて編集サイドで書き換えるときは、執筆者にルールを知らせる


こうした表記ルールは、その他の書き方のお願いも合わせて執筆要項という文書にまとめ、本来は執筆を依頼する段階で、執筆者全員に渡します。(執筆要項についても、いずれまとめたいと思っています)

しかし、小規模の発行物だと、あらかじめ執筆要項をまとめるのが難しかったり、そもそも執筆要項というものが要ることも知られていなかったりするかもしれません。原稿が集まってみて、「あれ!?」ということもあるでしょう。

その場合は、入稿後に編集サイドや発行者サイドで表記ルールを決めることになります。そして、そのルールに従って、必要な書き換えを行います。
編集といえども執筆者の了解なく書き換えることは許されませんので、校了よりも前の段階で、「こんな表記ルールで統一しています」ということを、各執筆者には知らせるようにします。西暦・元号の使い分けは、先述したように個人的な信条や考えに関わることもありますから、特に注意が必要です。


タグ:年号 表記
posted by labohan at 12:23 | 原稿執筆、原稿整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月25日

「障害」か「障がい」か

福祉関係の原稿で言葉の表記に迷うもののひとつに、「障害」「障がい」があります。
大阪府は何年か前に「障がい」に統一し、他の自治体や団体も同様の決定をしたところもあります。
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は「障がい」でしたが、その後できた「障害者総合支援法」は「障害」です。

調べていると、「障害」「障がい」と、もうひとつ「障碍」も加えて、丁寧な検討がなされた資料に当たりました。

内閣府・障がい者制度改革推進会議資料「「障害」の表記に関する検討結果について」2010年
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_26/pdf/s2.pdf#search='%E9%9A%9C%E5%AE%B3+%E9%9A%9C%E3%81%8C%E3%81%84'

この資料からも思いましたが、表現の奥にある本当に考えないといけないポイントは、おそらくは、「障害がどこにあると見るのか」ということではないかと思います。
社会で生きる上での不都合になる要素として、個人の身体や内面が有する特性自体が「障害」だと見るのか。
それとも、社会の側が、ある個人の特性にはフィットせずそのような個人が生きづらくなるような「障害」を抱えているのか。

私は障害者ではありませんが、たとえばひとりでベビーカーを押して外出していた時に階段しかないような場所は、行動に差しさわりがありました。それは別に遊びに行くとかだけではなく、食べるための買い物とか、病院とかの用事だってあるわけです。その時に「自分で歩けない乳児は、歩けないという障害があるんだから行動が制限されるんだ」という頭で見られると、ちょっと腹立ちます。「障害だなんて言わないでよ」と思うでしょう。でも、「今の社会の環境ではいろいろな障害があって、歩けない子ども連れだと行動しづらい」という見方だったら、同じ「障害」という言葉でも、「そんな障害がある社会だったら生きづらい人がいるんだから、変えていこう」という、人間重視の前向きな意味を含むのではないでしょうか。

そう考えると、「障害」か「障がい」かという表記の問題というよりも、障害を語るときに「障害がどこに属するものと考えているか」のほうが、ずっと重要な気がします。

ただ、現に当事者が「害」という漢字が使われるのが不快だという声が大きいなら、言い換えも検討されてしかるべきかもしれません。

編集という仕事をする上での個人的な結論としては、表記自体は今のところどちらでもいい、と考えます。いろいろな見方が混在している状況なので、制度・法律名などは原典に従うとしても、基本的には書き手の方針に従ったうえでの統一というので良いのではないでしょうか。


posted by labohan at 10:54 | 原稿執筆、原稿整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月23日

吉田さんの「吉」という漢字の上部が土になっている、などの異体字の変換

※2014年1月16日の記事を全面的に書き直しました。

異体字はIMEパッドから「異体字の挿入」で出せる


人名に多いんですが、「漢字がパソコンで変換しても出てこない!」ことがあります。
常用漢字でなくても変換で出てくるものもありますが、タイトルにも書いた「吉」の下のほうの横棒が長いものなど、よく使われる割に出しにくい漢字もあります。
人の名前の漢字は、気を遣うところです。ネットでは、見る人の環境が様々なので普通は通常の漢字を使うしかないですが、広く配布する紙媒体では、通常の漢字で済ませるわけにはいきません。

こうした、同じ漢字だけど違う形である漢字を「異体字」といいます。ウィンドウズパソコンを使っている方の多くが日本語変換に「MS-IME」を使っていると思いますが、MS-IMEであれば、異体字はIMEパッドで出す楽な方法があります。IMEパッドは、ウィンドウズ8だと、画面の大抵いちばん下に並んでいる中から「あ」(「A」となっていることもあります)を右クリックして、「IMEパッド」を選択して出します↓
140623.JPG

ウィンドウズVistaだと、画面のいちばん下にある、これです↓
140622b.JPG


このIMEパッドを表示して、左側のいちばん上の「手書き」モードアイコンをクリックして、手書き画面にマウスで標準の字体を書きます。目指す漢字が見つかったらマウスポインタを乗せて右クリックすると、異体字がある漢字は「異体字の挿入」で異体字候補が出てきます。それを選ぶと、異体字が入力できる、という手順です。
参考:マイクロソフトのサポートページ http://support.microsoft.com/kb/881300/ja

…というやり方を、1月16日の記事で紹介していました。しかし、ウィンドウズ8は「吉田さんの吉の上が土になっているやつ」もこれで出るんですが、たまたまVistaでやったら、「吉」は異体字候補が出ないことに気づきました。
せっかくブログを訪れてくれた方を、がっかりさせていたこともあったと思います。すみません。

でも、VistaのIMEでも「上が土の吉」自体は持っているはずと信じて、意地になって探しました。
そして、見つけました。ちょっと面倒ですが、「メイリオ」系のフォントが入っているパソコンなら、「文字一覧」から入れることができます。
ウィンドウズ7は手元にないので検証できませんが、8でのやり方かVistaでのやり方か、どちらかが使えると思います。

ウィンドウズVistaでの「上が土の吉」の出し方


まず、やはりIMEパッドを上記のとおり表示して、左側の上から2つ目の「文字一覧」アイコンをクリックして、文字一覧画面を表示します。
文字が並んでいる左側に、「文字カテゴリ」フォルダがいくつも出てきます。

その中の、「Unicode(追加漢字面)」というフォルダをクリックします。さらにその中の、「CJK統合漢字拡張B」というフォルダをクリックします。

すると、「CJK統合漢字拡張B」に格納されている漢字が、右側の一覧に表示されます。といっても、空きコードが多いので、漢字はたまーにぽつんぽつんとあるだけです。

ここで、右上のフォントを選択する欄で、「メイリオ」系のフォントを表示しておきます。(他のフォントだと、「上が土の吉」は、入力すると出るものもありますが、この文字一覧では表示されないことがあります)

そのうえで、一覧表の左側の、「U+数字」となっているコードが、U+20BB0 となっているところまでスクロールします。コードの並び順は、数字が0から9まで続き、そのあとABC・・・が続く順番です。
「U+20BB0」の行にたどり着いたら、横の7列目に「上が土のよし」がある・・・はずです。(ありました?)
これをクリックすると、開いているワードなりに入力されます。

さて、ここまで書いて気づきましたが、今説明しているのは「上が土の吉」のことなので、ここに書いておけばいいんですよね。

𠮷

私のパソコンでは「上が土の吉」が出ていますが、あなたのパソコンでは表示されているでしょうか?
最初に書いたように、表示されるかどうかはパソコン環境によりますが、表示されていたら、どうぞワードなりにコピーしてお使いください!
(ワード側で設定しているフォントによってはペーストしても出ないので、そのときはこの文字だけメイリオ系のフォントにしてみてください。MS明朝・MSゴシックは、ちょっとフォントの雰囲気が違いますが、たいていは出ると思います。)

posted by labohan at 08:40 | 原稿執筆、原稿整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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